花嫁になれる日

花嫁になれる日 (ハーレクインコミックス)
はやさかあみい/ダイアナ・パーマー

ジリアンは窮地に陥っていた。おじの遺言で、警察署長のセオドアと結婚しなければ、今住んでいる牧場を手放さねばならないのだ。子供の頃から知っている彼のことは好きだけれど、恋人同士という関係を飛び越していきなり結婚なんて…。実は21歳だというのに、ジリアンは男性とつきあった経験がなかった。それに彼女には、かつておじの雇い人に襲われかけたいまわしい過去があった。男性に心の底から恐怖する私が、本当に花嫁になれる日なんて来るのかしら…。

忌まわしい過去の記憶から男性恐怖症を内面に隠したジリアン。おじの遺言の為にセオドアと結婚しなければならなくなったのだが、やはり過去のことが彼女を前に進めてくれない。彼女は自分が幸せになるためにセオドア（テッド）を信じ未来をゆだねる覚悟をするために少しずつ彼に寄り添い始める。そんな時に彼女の恐怖の根源である男が出所して彼女の地域に住み着き彼女を貶め始めた。過去を乗り越えていない彼女は日常をむしばまれていく…。
よくあるとは言い難い…本当に可哀想な子供時代の経験としかいえないジリアン。しかもその傷を抱えたまま恋？かなというときまたも同じ目にあいかけてしまう彼女。あり得ない…まさにハーレクイン。
それにしても、ダイアナのお話はヒロインが本当にひどい目に合うものが多い（DVとか）けど今回は精神的にどん底。傲慢ヒーローも定番だけど、今回ほどヒロインを大切に見守り優しく包んで愛しているということを伝える人は見たことなかったのでこれはすごくよかった。二人が少しずつ距離を縮めていったのもよかった。
幼馴染の二人は過去のことがなかったらもっと早くに恋人になれたはずなのにねえ…とおもう。
はやさかさんの絵は当初好んで読むハーレクインではなかったのだけど、最近どの作品もはずれがなくてとても好みです。何がいいって、いまさらなんですが絵がやはり美しいです。二人のタンゴをする時の本当に楽しそうな様子。このワンシーンなぜか泣けてしまいました。

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