若すぎた一夜

若すぎた一夜 (エメラルドコミックス ハーレクインシリーズ)
岸本景子/ペニー・ジョーダン

令嬢シルビーは過去に犯した過ちを忘れようと、ニューヨークで仕事に打ち込んできた。 だが今度の仕事先は故郷イギリス。そこで待っていた男ランこそ、シルビーの「過ち」だった。親族の爵位を継ぎ、年月を経て一層魅力を増したラン。彼女を打ちのめした「あの夜の出来事」を忘れて、一緒に仕事などできるのだろうか？

ペニー・ジョーダンの作品というところでもすぐ手に取った本です。可哀想なヒロインシルビーは、もともとお嬢様というわけではなかったのでしょうか。お金持ちが好きな母親に翻弄されてストレスで夢中歩行までしてしまうほどの繊細な女の子。再婚相手の兄の親友であるランが、彼女に優しくしてくれたことからシルビーは彼に初恋をするのですね。守ってくれる人が出来たと思ったのに、相思相愛だったのに周りの勝手な思惑からたくさんの障害が生まれて、シルビーは本来の心や姿を偽り、ランもそんな彼女に苦悩するしかなかった…。うーん、一番の身勝手はシルビーの母親なんだよね。女が強すぎるというか、自己中心的な女性の典型だなあと。子供の幸せは二の次で、自分ばかりが幸せになることを考えている…まあ、ハーレクインには多いお母さんでもあるけど。ウソをつかれ、ウソをつかされ、それでもお互いを否定しきれなかった二人は本能的に求めあって再び相手を傷つけることになりましたが…。最後に思うのは、アレックスお兄さまはもう少し親友と妹の為にうまく動けなかったのかなと思ってしまいましたよ。たとえば、妹が成人した時点でこっそり本当のことを伝えるとかね…。
岸本さんの読んだ作品の中では一番古いハーレクイン作品にになります。２００７年の発売になってる…。このころはまだ他の作家さんを作家買いしていたりして、岸本さんの良さがわかっていませんでした。今はこのヒーローの濃さとか(笑)ヒロインの折れるような細さとか(笑)どっちも大好きです。

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