ヴィーナスの目覚め [コミック(ハーレクイン)]
ヴィーナスの目覚め (HQ comics タ 6-1)
田辺真由美/ジュリア・ジェイムズ
アレサンドロは、亡き父の共同経営者であるトマソの依頼で、トマソの孫娘ローラをつれてイタリアに戻らなければならない。その要求さえかなえれば、会社の全権を譲ってもらえるはずなのだ。たとえ色仕掛けを使ってでもその任務を果たすつもりだった。彼ほど魅力的な男なら、それはたやすいことでしかない。しかしその意気込みは出だしからくじかれた。当のローラは、彼が今までに出会った女性とは似ても似つかないタイプの、不器量でみすぼらしく無愛想な女だった!
イタリア男とくれば、傲慢男が標準装備のハーレクイン。当然この話のアレサンドロも結構最初の頃は、ローラに対して酷い事を平気で考える男でしたけど、ちょいちょいと人のいい部分が入っているおかげでなんだかいい印象で読み終えました。なんというか、傲慢男な発想はしているけど品のよさが性格にでているというか、ローラの外見が不器量という部分ばかりに囚われず、時折見せる笑顔とか態度に目を留める部分はさすが目が肥えているといえるのかなと。そのおかげもあって、普通ならラストヒーローからヒロインへの謝罪めいたいい訳のシーンも、いつもなら「はあ?なんでそんなに簡単に許すんやー!?」と怒り心頭なのに、彼のいい訳とローラが許した流れに自然なものを感じて納得出来ました。それにしても、ローラの父親ステファノとアーネストとの関係の設定は、よくある同性愛者の設定ではなくて…という部分にとても深いものを感じました。どうしてもローラの母と結婚できなかった理由。本当は誰も傷つけたくなかったのに…という父の苦悩を理解出きるローラは人間として素晴らしいなと思いましたね。
田辺さんのかかれるヒーローのスーツ姿が好きです。あの絵柄のせいなのかなあ…傲慢に見えないのは。(笑)
タグ:ジュリア・ジェイムズ 田辺真由美
コメント 0