愛と掟のはざまで

愛と掟のはざまで (ハーレクインコミックス・キララ)
岸本景子/ペニー・ジョーダン

エーゲ海に浮かぶ島国フォーテネグロ。アイオナンスの姉は皇太子マックスと結婚したが放蕩生活を送った挙句、愛人と事故死した。王国の掟によると、その罪をつぐなうため妹である自分が殿下と結婚しなくてはならないという。王家の跡継ぎを産むための生け贄になるなんて、この21世紀の世の中に…!?　しかし、結婚パレードで圧倒的な男性的魅力をもつ彼に、とろけるような熱いキスをされ頭のなかが真っ白になってしまう。彼にとってもこの結婚は義務なのに…。

岸本さんだし、ペニー・ジョーダンさんの原作だから絶対買わなくちゃと買った本。すごく当たりでした。
ロイヤルロマンスもので、しかも想像していた以上にヒーローが素敵。いやいやまさかこんな展開だったとは…。
王国のおきてに従って姉の不貞を償うために結婚させられることになったアイオナンスは、皇太子マックスに魅了され惹かれてしまった。相手は私を愛してはいないのに、女性として魅力がないと言われた自分に失望されたくないと精いっぱいの虚勢を張りながら彼と対峙していきます。でも、実際はマックスも彼女自身を信用しきれず困っていたのです。その美しさに彼も魅了されてしまっていたのですから…。
お互いの心の内を見せ合うことなく結婚は進み、さらに国益のことで勘違いをしたアイオナンスは里帰りを申し出ます。ところがその里帰りにマックスがついてくることになり、二人はアイオナンスの生まれ育った城でクリスマスを過ごすことになるのです。
この城で暮らす従者の方々がみな魅力的です。アイオナンスに大きな影響を与えた賢いメイド頭のアリアドネ。彼女に叱責されてアイオナンスは彼をどれほど愛しているのかを思い知るのです。
ペニー・ジョーダンさんの過去の傲慢ヒーローを読み越えてきている私には驚くほどのいいヒーローでした。岸本さんのきゃしゃなヒロインと軍服を着た皇太子の素敵なこと。最近岸本さんも私は作家買いのひとりです。普段いかめしい顔をしているヒーローがはにかむ表情はとても素敵です。

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