復讐の味は恋の味

復讐の味は恋の味 (エメラルドコミックス ハーモニィコミックス)
橋本多佳子/シャーリー・ジャンプ

輝くような金髪と、抜群のプロポーション。アリーは美しく変貌を遂げ、故郷に帰ってきた。かつて自分の恋心を踏みにじった男、ダンカンに復讐するために。再会した彼は人気キャスター。仕事を理由に近づいたアリー。計画は順調に進んでいくが、しだいにアリーの中のダンカンに対する想いが再燃してしまい！？

太っていた過去を捨て美しく変貌をとげたアリソン（アリー）は、自分をいじめていた奴らに復讐するため自分の故郷に帰ってきた。それなのに、自分の恋心を踏みにじったダンカンと最初に出会ってしまい、まだ自分のなかに気持ちが残っていることを実感してしまう。
よくあるヒロインが変身して酷い扱いを受けたヒーローに復讐するという話なのかと思っていたら、ちょいと違う展開で面白かったです。読み進めていくうちにダンカンが決してアリソンのことを辱めようとしていたわけでないことや、同じ映画が好きで仲良くなった展開とかうまくいくことも可能だったのですから。この話でラブストーリーよりもちょっと気になったのが双方の親の存在。金持ちで愛情を注がない親にお金持ちであることのプライドを守らされたダンカン。トレーラーハウスに住みながらも家族で仲よくおなかいっぱいおいしいものを食べて太ってしまったアリソン。どちらが幸せなの？という部分が出てきます。お互いのないものねだり。どちらに傾きすぎても子供は不満を持つものなのですね…。なんかちょっとその部分わかる気がする。
ちょうどいいのがいいのにと言いつつ、丁度いいのがどの辺りかは決められないものなんです。
橋本さん相変わらずのゴージャスな絵柄とコミカルな対比がとても素敵で大好きな漫画家さんです。最近はもう作画買いをしている人のひとりなんですけど、いつもハズレはありません。
今回もあとがきの４コマ面白かったです。

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