カレカノ ゴッコ

カレカノ ゴッコ (フラワーコミックス)
八寿子

八寿子さんの作品は、今どきの女の子の時流に乗らなきゃと焦っている部分がとてもかわいらしく描かれているなと思うときがある。そして、ああ、よかった…今どきの子だからといって恋愛マスターみたいな生活の子たちばかりじゃないのか、カモフラージュ組もいるのよねと安心させてくれる。
私の周りにはカモフラージュするような子はほぼいなくて、居なきゃいない経験ないならないとはっきり言ってそれを恥じるようなそういう人はいなかったので、みんな楽だった。
イマドキは…大変だなと少女漫画をよく読むようになってから思う。
それはさておき。表題作の「カレカノゴッコ」は三部連載の作品で、見かけが可愛くて経験豊富そうに見えるみずきちゃんとイケメンの鈴原くん。二人は自分たちの見た目に騙されない自然体にお付き合いができる人を探していたんですね。鈴原くんがしっかりしてるなあとちょっと感心しました。もてるからチャラいと思われるって確かに今も昔もあったけどちゃんと自分というものがわかっている１６歳。大人だなあ(笑)
私が好きなエピは鈴原くんが同じ学校の女の子たちに遊びでいいから付き合おうと言われているときに、みずきちゃんが彼はそんな人ではないと反論するところです。あのときの彼の満足そうな顔。だから君を選んだんだよという顔。「度胸のない子」と言われた彼女たちのへこんだ姿。ああ…でもなんかそっちの気持ちも私わかるんだよね。好きな人にちょっとだけ関わりたい。でも、勇気がないから正面からぶつかれないというやつ。まあ…それってズルい居場所だと今ではわかるけどね。
他に収録されている作品もおよそべたべたの恋愛ものじゃないんだけど、八寿子さんの作品の良さがたくさん詰まっているおはなしになっています。表題作が一番好きだな私。
最後に、あとがきに載っている猫ちゃんのお話ですが、すっごいこれわかります。猫ちゃんもですがわんこもそうですよ。さらに、私のおともだちが黒猫飼ってましたがその子も闘争心がすごかったそうです。黒猫ってそうなの？！わかりません。

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