SSブログ

踏みにじられた初恋 [コミック(ハーレクイン)]

踏みにじられた初恋 (ハーレクインコミックス)
踏みにじられた初恋 (ハーレクインコミックス)
和澄ふさこ/スーザン・スティーヴンス

由緒ある館の相続人、ヒースが13年ぶりに故郷に帰ってきた。館の使用人の娘だったブロンテは、彼を待ち受けていた。ロンドンで成功したヒースは、荒れ果てた館を相続したものの売却を考えている…そんな噂を聞き、館を売らないよう懇願したかったのだ。ブロンテにとってヒースは初恋の人であり、館はふたりがともに勉強した思い出の場所だから。だが彼の態度は頑なで、冷たかった。ふたりの間に走る火花のような情熱の高ぶりさえも気づかぬふりをして…。

幼馴染ものなんだけど、紆余曲折合ったヒーローとヒロインの2人。恵まれなかった環境のために荒れた少年時代のヒースを救ったのはブロンテの伯父だった。ヒーバーズ・ギルという片田舎で更正をする生活。家政婦の娘ブロンテとすごし、読み書きを習い、地元の不良たちと喧嘩の日日。そして少年院へいき更正した彼は会社を興して社長になった。伯父が亡くなった後遺産として引き継いだのはあの更正の場所となった田舎の家だった。その家を売却しようとしているとしったブロンテが彼を待ち構えていた。
過去のことは過去のこととして忘れたいとして、それでも自分を更正させてくれて今の成功をおさめた人生をつかめたのは伯父のおかげだとわかっている。そして、その全ての場所にブロンテとの思い出があるくせに彼女を突き放そうとする。どこかで成長しきれないものがあって、過去に触れるのが嫌なのかなという感じ。一度も兄と思ったことはないという言葉でブロンテへの思いを自覚させられ、過去も今も自分の心が求めているものが変わらないということが解ったってことなのかなあ。
舞台が都会じゃなくて田舎の農場だったというところが、穏やかでゆっくりとした時間の流れがあって昔話が出来て…羨ましいシーンが一杯ありました。
和澄さんの作品を読むのはこれが初めてでした。あとがきにあるように、この作品は和澄さんの遺作となりました。訃報は当時衝撃的で、ハレ友さんたちがたくさん情報を流してくれていて知りました。亡くなられた当時が2015年。本が出版されたのが2016年。描きかけになった原稿をこうして書籍にしてだすのに尽力された方々に感謝をしたいとおもいます。
とても心に残る作品になりました。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0